「売上が上がってきたから、そろそろ法人化(法人成り)しよう」「元請けから法人化を勧められている」
個人事業主として順調に実績を積み、いよいよ会社設立を検討している建設業者様にとって、絶対に忘れてはならないのが「建設業許可の引き継ぎ」です。
「会社を作ったら、許可も自動的に法人名義に変わるだろう」と思っていませんか?実は、何も対策をせずに法人化してしまうと、せっかく取った建設業許可が一度失効し、会社設立後に「新規」で取り直すまで500万円以上の工事ができなくなる期間(空白期間)が生まれてしまいます。
今回は、許可を途切れさせずに個人から法人へ引き継ぐための重要な手続きについて解説します。
1. 昔と今で大違い!法改正で「許可の引き継ぎ」が可能に
以前は、個人から法人へ移行する場合、一度個人の許可を「廃業」し、法人で「新規申請」を行うしかありませんでした。そのため、審査を待つ約2ヶ月間は無許可状態になってしまうのが大きな問題でした。
しかし、令和2年10月の法改正により、「譲渡及び譲受の事前認可申請」という手続きを行うことで、個人の許可番号や実績をそのまま法人へ、1日も途切れさせることなく引き継ぐこと(承継)が可能になりました!
2. 許可を途切れさせないための「絶対条件」
この便利な引き継ぎ制度ですが、利用するためには非常に厳しいタイムスケジュールと要件をクリアしなければなりません。
- 必ず「法人設立前・事業譲渡前」に許可行政庁の認可を受けること
→ 会社を設立してしまった後に「引き継ぎたい」と言っても手遅れです。事前の申請が必要です。 - 個人時代の「経営業務管理責任者(経管)」や「専任技術者(専技)」が、新法人の常勤役員・社員としてそのままスライドすること
→ 許可の要件となるキーマンが、法人でも引き続きその職務を務める必要があります。
3. 個人から法人へ引き継ぐ際の大まかな流れ
手続きは、一般的な新規申請よりも複雑で、綿密な計画が必要です。
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① 認可申請の準備 | 新会社の設立発起人(メンバー)や出資金額、役員構成を決め、事前に必要書類を作成します。 |
| ② 事前認可の申請 | 【超重要】法人設立(登記)の前に、行政庁へ「この内容で法人化して引き継ぎます」という認可申請を出します。 |
| ③ 行政庁の認可・法人設立 | 行政庁からの認可が下りた後、速やかに法人の設立登記を行います。これで許可が途切れず引き継がれます。 |
4. 税金やタイミングのコントロールも重要
建設業許可の引き継ぎだけでなく、税金面(資産の譲渡やタイミングによる消費税のメリットなど)も絡んでくるため、一歩間違えると大きな損失に繋がることがあります。「いつ会社を設立するのがベストか」を総合的に判断しなければなりません。
行政書士からのアドバイス
個人からの法人成り(法人化)は、建設業者様にとって大きな一歩です。だからこそ、「手続きの順番を一つ間違えただけで許可が切れる」というリスクは絶対に避けなければなりません。
当事務所では、新会社の設立準備から、建設業許可の引き継ぎ(事前認可申請)まで、タイミングを見極めてトータルでサポートいたします。「そろそろ法人にしようかな」と思ったら、会社を作る前に、まずは一度専門家にご相談ください。



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